宮崎商工団体連合会

ホーム > 宮崎商工団体連合会 > 反面調査のデジタル化問題 危機意識の高まりが急がれています

反面調査のデジタル化問題 危機意識の高まりが急がれています

20210831_01.jpg
※(左写)高鍋信用金庫本店に要請。対応された都成氏(事務部)と新名氏(融資部)は、「税務署員がパソコンのクリック一つで預金情報を入手するなど考えにくい、、」と独自の見解も。問題の本質はワンクリックでもダブルクリックでもなく、調査の適正手続きの是非です。



 株式会社NTTデータが提供する「pipitLINQ(ピピットリンク)」は、預貯金等照会業務のデジタル化サービスです。既に全国192行政機関及び43金融機関が同サービスを導入しており、九州では一部の地域(福岡・佐賀・長崎県)に限定的の様子。

 しかし看過できないのは、納税者(預金者)への通知や承諾も得ずに反面調査で預金情報を入手し放題の国税庁が、今年10月から「全国の国税局・税務署」への導入を予定していることです。

 「業務の効率化」を理由に一方的かつ客観性など軽視した反面調査の横行を未然に防ぐべく、宮商連(県連)は県内主要銀行に要請を行いつつ、南九州4県連合同で熊本国税局にも請願書を提出しています。

 本県では未だ導入されていないことから金融機関の認識も浅く、具体的な対応の改善策については話しが深まりません。

 「納税者本人に対する調査(本調査)も金融機関に対する調査(反面調査)も同じ任意調査であり、被調査者の理解と納得、協力が大前提です。金融機関としても反面調査の「補完性」について問題意識をぜひ高めて欲しい」と、民商の主張を前面に受け入れている広島県内の金融機関の対応も指し示しながら求めますが、「お話しは大変勉強になりますが、現段階で当行としては税務署の質問検査権を拒否する特段の理由が無いとしか言いようがない」とのこと。

 一方で、そもそも預金者の個人情報を取り扱う金融機関としてのコンプライアンス(法令遵守)にも疑問が拭えません。何故なら「個人情報を第3者に提供している法的根拠は何ですか?」の質問に真面な答えを持ち備えていないからです。自分たちの仕事に法的根拠も示せず、個人情報を乱用している様は昨今の税務行政そのものであり、銀行の「信用第一」の理念も流石に霞みます。

 要請は継続しますが、納税者(預金者)側では現金取引や預金情報(取引履歴)に基づく正確な自主記帳・計算活動が自身の商売・生活を守る力になります。「みんなが先生、みんなが生徒」の楽しい記帳学習会を班・支部に広げましょう。