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【日南民商】古い債務と時効の話 (今週の相談から)

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「鹿児島の債権者があした店に来ると電話があったのよ」と、心配そうな顔で民商に相談にみえたのは、海産物店を営むAさん(油津支部)。

 聞けば、3年前になくなったAさんの母には、鹿児島の同業者から請求を受けていた200万円の買掛金があったとのこと。けど、母から「この請求、払わなくていいのよ」と20年間聞かされ続けてきた。

 脱サラして海産物業を始めたこの同業者の求めで、泊まり込みで鹿児島へ出掛けて鰹節の製造方法を教えたり、販路拡大のため宮崎県内の自らの得意先を紹介したことなどから、"請求は形だけ、決済は不要"と双方暗黙の了解がされてきた。

しかし、時が過ぎこの同業者も代替わりし、事情を知らない後継ぎ社長さんが請求されたのではないか、とも-。

 「とても支払えない」と言うAさんですが、法定相続人です。母の死後「3か月以内」に相続放棄の手続きとっていないので、法的にはこの債務も相続したことになります。

 Aさんには、20年来の事情をできれば先代社長さんも交えて話をしてみること、それでもだめなら「時効の主張(援用)」をされることを勧めました。商事債権ですから5年がとっくに越え、時効が成立しています。

 さて、みなさん。売掛金や貸金をしっかり回収するためにも、時効は知識として一応知っておきたいものです。

 そこで、以前にも紹介しましたが、参考のためいくつか時効期間をご紹介します。
 ●1年で時効~飲食代金、タクシーなどの運賃
 ●2年で時効~小売人の売掛金、電気、ガス、水道料
 ●3年で時効~大工などの工事代、交通事故などの賠償金
 ●5年で時効~商取引の借金、地代などの賃貸料
 ●10年で時効~期限の定めがない個人間の借金